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転職面接:即戦力の幻想

 


会社で時々、中途採用の面接官をすることがあります。その時に、「自分は即戦力になります」みたいな発言をする人は、実はほぼ採用しません。

中途採用は即戦力


よく、「中途採用は即戦力を期待する」みたいな言い方を耳にしたり、目にしたりします。

個人的な経験なのですが、「即戦力」になった中途採用者がいたことがありません。単に私の会社の採用能力が低いだけかもしれませんが。
同様のことは中途採用だけでなく、派遣社員を新規に受け入れた時もそうです。

入社して翌日からバリバリ活躍してくれた人なんて、ゼロです。

 派遣の人なら大体3ヶ月、中途採用なら6ヶ月〜1年

これがその人が、現場で力を発揮することができるようになる私なりの目安です。
※業務は開発業務です。

派遣の人が短いのは、派遣の人のほうが能力が高いわけではなく、単に与える仕事のツブ(単位)が小さいのと、技術的な側面が強いからです。正社員なら、技術面でのスキルも必要ですが、人間関係というかコミュニケーションがより重視されるような仕事を出します(派遣の場合は、コミュニケーション部分は正社員がフォローします)。

 

 

■戦力とは


そもそも「即戦力」ってなんでしょうか?
さらに「戦力」ってどんなものでしょうか?

多分、多くの人が

 配属された翌日から、特定のプロジェクトを任されて、それをきちんと成果が出るように進めていくこと

みたいに定義されているのではないでしょうか。

上記の私の所感「即戦力になる人材の採用ができたことがない」というのも、その定義に基づいて言ってます。

しかし、わずか1時間にみたないくらいしか話をしていない人に、何かのプロジェクトを任せられる勇気のあるマネージャーなんていません。
第一、任されたとしても、誰に何を頼めばいいのか、どういう結果を出せばいいのかわからない中途入社の人にとっても、やりようがない

私の専門で言えば、C#C++ のコーディングにしても、会社ごとに異なるコーディングルールや、デザインレビューの規則があります。ソースコードはあるルールに従って保管しないといけません。
そんなこといきなり出来るわけがない。たとえ、C++ のインストラクターがやれるような人でもムリでしょう。

だから、新卒の人と同様、新人(中途採用・派遣)には即戦力は期待しないというのが、基本スタンスです。

中途採用に期待する能力


では、中途採用の人に何を期待するのかというと、

 今持っている知識ではなく、今持っている経験と知的能力と実行力、そして対人関係力

です。結果、これが面接で見極めたいものなんですよね。これらをまとめて言うと、「ポテンシャルがあるか否か」ということですかね?
ところが、冒頭に書いたように「即戦力として働けます!」みたいな発言をする人は、残念ながら「要望と合わない」と。

これらは、学校や本でどんなに学んでも身につくことはありませんし、新卒ではわかりません(ポテンシャルはわかるかもしれませんが)。
中途採用の人が、今後会社に入って実際に活躍できるようになるまでの期間がどの程度短いかは、これらの力の大きさによります。これを見極めれば、半年後には頭角を現すのか、定年まで頭角が出ないのかがわかるという理屈です。

それに比べれば、C++言語を知っているなどという技術的能力(スキル)などは、後でなんとでもなるものだと考えてます。

じゃあ具体的に、どうやってそれを表現すればいいかについては過去記事で書いてますので、そちらをご参照ください。

 一生懸命じゃない
 中途採用面接:コミュニケーション力があります
 中途面接の失敗事例
 面接練習をする
 面接の質問:「記憶に残っている失敗を教えて下さい」
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 中途面接の失敗事例
 面接は「エライ人」で決まる
 面接で「年上の部下・担当者への接し方」を聞かれたら1
 面接で「年上の部下・担当者への接し方」を聞かれたら2

などなど、面接技術で色々書きましたので、ご参考にどうぞ。

■敵を知り、己を知らば…


中途採用面接をしていると、自己アピールは一生懸命考えてきている(と思える)人が多いのですが、面接官が何を知りたいのかを考えてきたかどうかについては「??」な人が散見されます。
面接官が知りたいのは、あなたに「スキルがあること」ではなくて「ポテンシャルがあること」が知りたいのですよ。

と、面接官のひとりごとでした。

 

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